私達は先祖代々から育てた北山台杉を毎日、精魂込めて丹念に管理し子孫に受け継いでいきます。台杉は親から子、孫へと代々受け継いでいける庭木です。お庭に台杉を入れることによりとても落ち着いた心温まる美しいお庭になります。庭造りにはいくつかの方法がありますが、卯之助は台杉をお庭に入れることをお薦めします。

台杉について

スギ  Cryptomeria japonica <杉> (常緑高木)

杉は日本特産で各地に広く自生し、また有用樹種として最も多く植林されています。日本では最も大きく、長寿の木といわれ屋久島には樹齢3000年を超えるものがある。大きいものは高さ65メートル、直径6.5メートルに達します。樹冠は楕円状円錐形で、老木になると丸くなります。樹皮は赤褐色で縦に長くさけ、葉は小形の鎌状針形で螺旋(らせん)状につき、4月頃に開花します。雄花は前年枝の先に多数つき、淡黄色で楕円形、雌花は前年枝の先に1個つき、緑色で球状。球果は長さ2~3センチの卵状球形で10月頃成熟します。
太平洋側に自生するものを【オモテスギ】と呼ぶのに対し、日本海側に多い変種のアシウスギvar.radicansを【ウラスギ】といいます。
葉の開く角度が狭く、枝が垂れて地についたところから新しい株ができ、萌芽性が旺盛、ここ京都北山杉もこの系統です。
主な用途として、庭木、街路樹、盆栽、建築・土木・器具・楽器・彫刻・梱包材、経木 などがあります。

日本の杉には,ウラスギ(裏日本の杉)とオモテスギ(表日本の杉)があります。ウラスギでは雪の重みで枝が垂れ下がり自然の状態で取り木状態になる事を「伏条性」が有ると言います。芽や根が出やすい性質をしています。ダイスギは、このウラスギの伏条性を利用しまして、わざと幹を切り切り株から何本かの芽を出させそれを育てる杉の生産方法です。これを伏条台杉仕立てといいます。この方法は細く真っ直ぐな杉が得られることから床柱の生産に京都地方でかっては盛んに行われておりました。
昔は杉は挿木が出来ませんでした。挿し木できないから台杉仕立てのような方法をとったわけです。現在は挿し木できるようになりましたので挿し木して一本で育てる「一本仕立て」で育てるようになったわけです。何時から挿し木が出来るようになったのか知りませんが…。現在は京都のお寺や神社等に用材として切られなかった伏条台杉がその姿が独特ですから庭木として保存されています。
北山杉は杉磨丸太を生産目標に、垂木台杉仕立と一代限り高林仕立の両作業法が行われています。
一代限り高林仕立は皆伐高林作業のことで、25~40年生ぐらいで一斉に伐倒し、末口直径9~16cmの床柱を生産します。
一方、台杉仕立は「北山のシンボル」ともいわれ、森林の狭さを補うために北山人が編み出した恒続的な造林方法で、生産財の用途を数奇屋建築用細丸太に限定したことも幸いし、独特な形で発展してきました。しかし第二次大戦後、防火建築法のあおりお受けて垂木の売れ行きが急減したため、垂木生産に見切りをつけ、台杉仕立は大幅に減少し、一代限り丸太仕立が多くなって現代に至っています。